CSE v2 チェックポイント3 — 確率の精度と生成の崩れの系列(H-CAL-1、H-COL-1〜3、H-LEAK-1〜3、H-GEN-2b・3・4)
作成: 2026-10-05(H-LEAK-3の凍結の直後)。DRAFT(commit 71bc238)→ Codexの系譜監査(FAIL 4件・CONCERN、§6)→ 修正。状態: FINAL/FROZEN(2026-10-05)。以後、本文は書き換えない。
この文書は、V2_CHECKPOINT_2.md(FINAL/FROZEN、2026-09-29)の後に凍結した10の研究の結論をそのまま並べて1枚にするためのものである。各研究の結果・判定・解釈はそれぞれのプロトコルが正本であり、この文書はそれらを書き換えない・強めない。数値はすべて各プロトコルからの引用である。V2_CHECKPOINT_1.md・V2_CHECKPOINT_2.mdは書き換えない。
この文書では次の研究を決めない(§4に候補を並べるだけ)。
0. 3行で言うと
- 確率の精度では、CSEは数え上げ(n-gram)に負けた。 効いたのはラベル(カテゴリの情報)で、CSE固有の利点は検出されなかった。CSEは確率の約35〜36%を正解でない語に「漏らして」いた。漏れの大部分は、今の記号だけを見る
directの項に由来する質量で(分解)、その重みを相対的に下げる介入で見込みどおり減った。ただし数え上げとの差の原因を同定したわけではない。 pairの重みを上げると漏れは減るが、どこでも良くなるわけではない。pairの行が正解だけを指す位置では改善し、ラベルなしの「が」の後(pairのキーが個別の単語で、同じ語の集合の中で配分を変える位置)では悪化した(原因は同定していない)。β=9でも動詞の位置では数え上げに0.14ビット負けた。- 生成の崩れでは、履歴の項を全部外したときだけ最初の逸脱が大きく遅れた。 「履歴の中身の配置」(かき混ぜ)、「すでに出た記号の分だけ」(マスク)、「繰り返しの減点」では、登録した基準の改善は出なかった。
1. 一本道の要約
[確率の精度の系列]
H-CAL-1 top-1確信度の較正(ECE)、107の凍結入力 → NEITHER(CSEは過小確信、張り付きはない)
↓ 「確率の中身」を、答えが分かる合成言語で測る方向へ
H-COL-1 役割を分けたCSE(Colony)+oracleのラベル → COLONY GAIN, NO CSE-SPECIFIC ADVANTAGE(ラベルで説明できる)
H-COL-2 同じラベルを1匹のCSEに渡す → NOT DETECTED(Colonyと全20同点、天井)
H-COL-3 動詞を確率的にして天井を外す(交差エントロピー) → CN BETTER(数え上げが0.63〜0.65ビット良い)、CSEは約36%を漏らす
↓ 漏れの出どころを測る(原因は同定していなかった)
H-LEAK-1 確率を direct / pair / 混合 に分解 → 漏れの87〜91%が direct 由来(記述)
H-LEAK-2 採点の pair の重み β を 1→3→9 に上げる介入 → B3・B9 BETTER(0.32・0.48ビット)、β=9でもCN BETTER(0.14ビット)
H-LEAK-3 βを上げたときの副作用を別の位置で → SIDE EFFECT DETECTED(ラベルなしの「が」の後、β=9で約0.09ビット悪化)
[生成の崩れの系列](V2_CHECKPOINT_2のH-GEN-2の続き)
H-GEN-2b hist_off 対 pair_off を直接、+ hist_shuffle → HIST_OFF > PAIR_OFF。かき混ぜより hist_off が遅らせた
H-GEN-3 繰り返しを禁止するか減点するか → RQ1・RQ2とも NOT DETECTED(床に近い)
H-GEN-4 履歴の害は「すでに出た記号」からか → 主比較 NOT DETECTED。遅れが大きかったのは履歴全体を外したときだけ
2. 研究ごとの整理(正本の範囲を超えない)
| 研究 | 判定 | 主な数値 | 言わないこと | 正本 |
|---|---|---|---|---|
| H-CAL-1 | NEITHER | CSEのECEは最良の対照より0.017〜0.021大きい(点推定)が、FinnishでDISADVANTAGEの区間条件を満たさない。CSEは過小確信 | 較正でCSEが劣る/同等 | H_CAL_1_PROTOCOL.md §15〜16 |
| H-COL-1 | COLONY GAIN, NO CSE-SPECIFIC ADVANTAGE | カテゴリを介した汎化: Colony 1.000、単体CSE・容量をそろえた単体・trigram 0.333、同じラベルのクラスベースn-gram 1.000(全20同点) | 分業の効果、自然言語への一般化 | H_COL_1_PROTOCOL.md §18〜19 |
| H-COL-2 | NOT DETECTED | ラベルを1匹に後置で渡すと1.000でColonyと全20同点。ラベルなしの単体を20/0で上回る | 同等性。前置のRQ2は対象外(0 trials) | H_COL_2_PROTOCOL.md §16〜17 |
| H-COL-3 | CN BETTER(対Colony・対ラベル付き単体)、Colony対ラベル付き単体 NOT DETECTED(0.023ビット、マージン未満) | 交差エントロピー(下限0.722): CN 0.728、ラベル付き単体 1.356、Colony 1.379。CSEの2条件は約35〜36%を正解の動詞以外に | 差の原因(この時点では未同定) | H_COL_3_PROTOCOL.md §17〜18 |
| H-LEAK-1 | (診断、予測3つ当たり) | 漏れのうち direct 由来 87〜91%、混合 9〜13%、pair 0。direct の行は全カテゴリの動詞に平均1/3ずつ | 原因(介入していない) | H_LEAK_1_PROTOCOL.md §14〜15 |
| H-LEAK-2 | B3・B9 BETTER、CN BETTER(対B9)、M0 NOT DETECTED | T2: 1.356 → 1.035 → 0.871、CN 0.728。正解の質量 0.646 → 0.807 → 0.904。混合0の効果は0.046ビット | βの推奨(副作用は測っていない) | H_LEAK_2_PROTOCOL.md §14〜15 |
| H-LEAK-3 | SIDE EFFECT DETECTED(S-G-B9) |
ラベルなし「が」の後: β=9で約0.09悪化(20/0)、β=3は0.046でマージン未満。「は」の後: 両モデル0.35〜0.57改善。ラベル付き「が」の後は丸め誤差を除き不変(行が同一) | まばらさが原因、βの推奨、測っていない位置 | H_LEAK_3_PROTOCOL.md §14〜15 |
| H-GEN-2b | 主比較 HIST_OFF > PAIR_OFF | ΔL +4.23(160/0)。hist_off > hist_shuffle +4.17(160/0)。base 対 hist_shuffle は +0.489(140/11)でマージン未満 | 生成失敗の一般的な原因、推奨設定 | H_GEN_2B_PROTOCOL.md §16〜18 |
| H-GEN-3 | RQ1・RQ2とも NOT DETECTED | soft 対 ban 全40同点、soft 対 none 9/7/24。床に近い(繰り返しのセルの320中243が最初の繰り返しの前に逸脱) | 減点が効かない/同等 | H_GEN_3_PROTOCOL.md §15〜16 |
| H-GEN-4 | 主比較 NOT DETECTED | hist_past 対 base +0.376(117/34)マージン未満、hist_off 対 hist_past +3.43(160/0)。hist_past で先走り 505→23、ただし繰り返し768・早すぎる END 722 に置き換わる | 履歴の害の内訳の同定 | H_GEN_4_PROTOCOL.md §15〜16 |
3. 現時点で言えること(各正本の範囲を超えない)
3-1. 確率の精度
- この合成言語・107型の構成・oracleのラベルで、カテゴリを介した汎化の利得はラベルで説明でき(H-COL-1・2)、確率の精度では同じラベルの数え上げの方が真の分布に近かった(H-COL-3)。
- 漏れの質量について:
direct(今の記号の行)とpair(直前2記号の行)は同じ重みで足され、漏れの87〜91%はdirect由来の質量だった(H-LEAK-1の分解、記述)。pairの相対的な重みを上げる介入で、direct由来の漏れは1/(1+β)の割合で減った(H-LEAK-2)。 - 交差エントロピーの差について: β=9での数え上げとの残りの差(0.143ビット)は、残った漏れの分(約0.146ビット)にほぼ当たる(記述)。CSEと数え上げの交差エントロピーの差の原因を同定した研究はない(漏れの質量の分解と、交差エントロピーの差の原因の説明は別物)。
pairの重みを上げる効果は位置によって向きが違う(H-LEAK-3):pairの行が正解だけを指す位置では改善、ラベルなしでpairのキーが個別の単語になり、同じ語の集合の中で配分だけを変える位置では悪化(原因は同定していない)。ラベル付きの「が」の後は丸め誤差を除き不変。- 言わないこと: CSEの推奨設定、βの最適値、「まばらさが原因」、自然言語・他の構成・softmax・講座版エンジンへの一般化。
3-2. 生成の崩れ
- 未見の課題で、デコード時に履歴の項全体を外すことは、
pairを外すこと・履歴の値をかき混ぜることより、最初の逸脱を遅らせた(H-GEN-2b)。履歴を「すでに出た記号」だけに絞ると先走りは大幅に減ったが(505件→23件)、繰り返しと早すぎる終了に置き換わり、登録した改善には届かなかった(H-GEN-4)。 - 繰り返しの扱い(禁止か減点か)では差を検出しなかったが、床に近く、比較の力は弱かった(H-GEN-3)。
- 言わないこと: 生成失敗の一般的な原因、
history_boost = 0の推奨。
3-3. 2つの系列を並べた整理(このチェックポイントでの未検証の横断的な解釈)
- 2つの系列を並べると、「正解以外の候補への点数の配分」という観点で整理できる可能性がある(確率の系列の
directの広い配分、生成の系列の履歴の項)。ただし生成の系列で検証したのは特定の除去・並べ替え・マスクの比較であり、共通の機序そのものではない。これは本チェックポイントでの未検証の横断的な解釈で、どの研究の結論でもない。
4. 残った問いの位置づけ(ここでは次の研究を選ばない)
| 候補 | 状態 | メモ |
|---|---|---|
| H-GEN-2b | 実施済み(V2_CHECKPOINT_2 §4ではUNTESTEDだった) |
主比較 HIST_OFF > PAIR_OFF |
pairの重みを標本の量に応じて変える(証拠で重みづけ) |
未登録 | H-LEAK-2・3から自然に出る改善案。以下は正本の結果ではなく、このチェックポイントでの新しい設計上の見込み: n-gramの平滑化(Witten-Bell等)に近い形になり、結果も数え上げに近づくと見込める。CSE固有の問いになりにくい |
「が」の後のCN(4.356)が、SL_postの全条件・SのB1・B3より高かった理由(SのB9 4.372よりは低い) |
未登録(H-LEAK-3 §14-4の記述) | 正本では「CNのadd-alphaの平滑化の影響と思われるが確かめていない」。対照の側の問いで、CSEの問いではない |
混合(distribution_backoff_mix)の設計 |
未登録 | H-LEAK-2で混合0の効果はマージン未満 |
| Candidate Selection / Scoring | UNTESTED、未登録 | V2_CHECKPOINT_2 §4-1から変更なし |
| H-M2-2、M3 | 保留 | V2_CHECKPOINT_2 §4から変更なし |
| Band-Pass Trace、State-Bank Routing | UNTESTED | V2_MODULE_SELECTION_NOTES.mdから変更なし |
| M1の追試、M7 | 保留 / OPEN | 変更なし |
- 再開のルールは
../ARCHIVE_STATUS.mdのまま(理由を書く → どの判断が変わるか → 事前登録 → 設計査読)。
5. 手続きについての記録
- 10研究は、それぞれの正本に登録した手順で実施した(事前登録・Codexの査読・実行後監査を経てFINAL/FROZEN)。研究ごとの順序・省略は各正本に記録した(例: H-LEAK-1は設計と実装の合同査読で既存の課題を再利用しPhase 0なし、H-GEN-2bは課題の生成・凍結の後に実装と実装後査読)。
- 逸脱・訂正は各正本に記録した。主なもの: H-GEN-2bの初回実行の件数検査の誤り(書き出し前に停止、§16)、H-LEAK-1の誤記(1〜13% → 9〜13%)、H-LEAK-2の実装後の修正を再査読なしで実行(ユーザー判断、§13)、H-LEAK-3の
CNとの大小の誤記(§15で訂正)。 - 「判定をいつ開いたか」は、保存した成果物だけからは独立に証明できない(H-LEAK-2・3の実行後監査で記録)。
6. Codexの系譜監査(2026-10-05)と対応
総合: FAIL(数値・主判定の引用は正本と一致。訂正済みの比較の誤りの再現と、正本より強い表現)。研究の結果は変えず、このチェックポイントの比較・因果の表現・手続きの要約を直した。
| 指摘 | 対応 |
|---|---|
FAIL 1: §4のCNの候補が訂正前の結論(「CSEより悪かった」)に戻っており、「平滑化の問題」と原因を断定 |
条件を限定(SL_postの全条件・SのB1・B3より高く、SのB9より低い)、正本の「思われるが確かめていない」を引用 |
| FAIL 2: 冒頭の「負けの正体は漏れ」「分解と介入の両方で確認」が、数え上げとの差の原因を同定したと読める | 「漏れの大部分はdirect由来の質量で、βの介入で減った。差の原因の同定ではない」に限定(§0-1) |
| FAIL 3: 「先走りは消えた」(実際は505件→23件) | 「大幅に減った(505件→23件)」(§3-2) |
| FAIL 4: 「10研究すべてが同じ手続きの順」は不正確 | 「各正本に登録した手順で、研究ごとの順序・省略は各正本に記録」に変更、例を2つ添えた(§5) |
| CONCERN: §3-3が共通の機序を確認済みの前提で書かれている | 「未検証の横断的な解釈」として書き直した |
| CONCERN: §3-1の「差の大部分は説明できる」が、漏れの質量の分解と交差エントロピーの差の原因を混同 | 2つを分けて書いた |
| CONCERN: H-LEAK-3の「不変」 | 「丸め誤差を除き」を追加(§2・§3-1) |
| CONCERN: H-COL-3の判定の系譜が欠ける | Colony対ラベル付き単体 NOT DETECTEDを追加(§2) |
| CONCERN: 「Witten-Bell等とほぼ同じ形」は正本の結果ではない | 新しい設計上の見込みと明記(§4) |
V2_CHECKPOINT_3 = FINAL/FROZEN(2026-10-05)。
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